イライラする
息子もイライラしているが、私もイライラしている。
息子が何にイラついているのか分からない。
ただそのキーキーという泣き怒り声は聞く者の神経を確実に逆撫でる。
それを間近で聞くしかない上に、なるべく静かにさせる役目まで負わされている私は 「さ・い・あ・く」な気分だ。
何が気に入らないのだ!と怒声を浴びせたい衝動を抑えている、なんて偉いんだ私・・・誰も褒めてくれないけどね。
心の中で何かがギラつく瞬間がある。
狂暴なギラギラした感情だ。
暴力を奮いたいと思う瞬間。それで快感を得られそうな気になる瞬間。
スッとしたい。己の怒りをを解き放って軽くなりたいと願う瞬間。
息子がイラつくか、泣くか、怒るかしなければ、私は狂暴になどならない。
私は息子がキーキーうるさくするからイラつくのではない。そんな息子に巻き込まれる事で障害児を持った親という役目からけっして降りられない事実を目の当たりに思い知らされる事に怒らずにはいられないのだ。
なぜ私が・・・
なぜこんな目にあっているのか?
自分の事なら人生を変えるために努力も出来るが、人を変えることは出来ない。
起こってしまった事は変えられない。
努力しても変えられない事がある。
なんて虚しい人生。
「受容」のステップの「怒り」の段階に私は何度も立ち戻って来てしまう。
この怒りが消えることなど有り得ない。
鎮まり落ち着く時期はあるが、消え失せることはない。
そして容易く燃え上がる。
呪い怨み嘆く。
神を信じていれば神を恨むことが出来る。
神が現れてくれないので目の前の息子に恨みを向けるしかない。
愛しく世話をしているが、私の怒りを起こすまねをされるとやはり憎い。
そんな思いはしたくないのに、逃れるためには死にたいと思うぐらい全てにうんざりしている。
今の人生から逃れたい。
楽になりたい。